①粉瘤
粉瘤(ふんりゅう)は体質や外傷等をきっかけにして、皮内や皮下に皮膚の袋を形成する良性腫瘍で、袋の中に垢(あか)が溜まって徐々に大きくなり、しばしば感染を起こして赤く腫れて痛みを伴ったり、悪臭を発生します。
粉瘤の治療
感染を起こした粉瘤は腫れて大きくなっており、抗生剤内服や切開排膿等で落ち着かせて縮小した後に治療します。
①切除縫合術:粉瘤開口部を含めて皮膚を紡錘形に切開して摘出・縫合。
②くりぬき術:粉瘤開口部周辺に小さい穴をあけ、内容物を絞り出して、粉瘤の袋を抜き取ります。切除術のような線状の傷は残りません。必要に応じてタバコ縫合をします。
②ほくろ
黒子(ほくろ)は母斑細胞(メラノサイト系)の増殖によるもので、母斑細胞母斑や色素性母斑などを含みます。多くは良性ですが、稀に悪性黒色腫や基底細胞癌などの悪性の母斑があります。※色素性母斑の除去は保険適用外です。
悪性を疑うポイント
①形が不整
②境界が不鮮明である。
③色が不均一でムラがある。
④大きさが6mm以上ある。
⑤隆起している。
ほくろの治療
①切除縫合術:紡錘形に切除して縫合します。
②くりぬき術:円形に皮膚全層を切除し、必要に応じてタバコ縫合をします。
③蒸散術:高周波やレーザーメスを用いて黒子のある層だけを切除します。
蒸散術について
高周波・レーザーメスを用いて黒子だけを除去し、正常な真皮を残して縫合はしません。切除術のような線状の傷は残らず、採取した組織は切除術と同様に検査に出して悪性と良性の診断ができます。